特定調停はお金を掛けずに借金問題の解決ができます
一番新しい債務整理方法が「特定調停」というもので、平成12年12月から施行されています。
特定調停は、「支払い不能には至っていないが、このままだといずれ行き詰まってしまう」状況にある債務者を対象にした手続きで、簡易裁判所を介して負債を減らす事ができます。 申し立て自体は専門的な知識はあまり必要としないため、債務者本人が行うことができ、費用がかさむ弁護士等に依頼できない場合は適しています。
特定調停は、任意整理のように債権者との交渉は弁護士や司法書士が行うのではなく、裁判所が選定した「調停委員」が行うことになります。 この調停委員は弁護士資格を持つなど有識者が就くため、知識や交渉面では心配ありません。
自分で申立てをし、裁判所が立てた調停委員が交渉を実行するため、費用が比較的安いという大きなメリットがあります。 例えば、弁護士や司法書士の場合は債権者1件あたり3万円前後かかるところが、特定調停を本人が申し立てると、1件あたり数百円と、ほとんど印紙代や切手代などの実費程度で済んでしまいます。
また、特定調停では借金の原因は問われず、他の債務整理と比べると手続きもスピーディで、申立てを行ってから1ヶ月程度で完了します。 負債額については利息制限法に基づいた再計算(引き直し計算)が行われ、支払い不要とみなされた分は、返還されるか免除となり、負債総額が減ることになります。
デメリットについても把握しておこう
このように、特定調停のメリットはたくさんありますが、デメリットがある事も忘れてはいけません。 他の債務整理と同様に、信用情報機関のブラックリストに掲載されます。 また、調停成立後は3~5年の間に完済しなければなりませんが、支払いが滞ると債権者による給与等の差し押さえといった強制執行が認められているため、安定した支払い能力が求められます。
さらに、費用が安い分、自分で様々な書類を準備・作成しなければならず、時間と手間を要します。 簡易裁判所にも何度も通わなければならないので、仕事の都合がつきにくい人は大変かもしれません。