生活費をカードローンで賄う事に
裕福な家庭に育った従妹は贅沢に慣れ、プライドも高いけれどお人好しな面もありました。
それが一変したのは、豪華な結婚式を挙げた夫君が転職、そして実家の両親が相次いで亡くなったのがきっかけでした。 職場結婚した当時はそこそこの高給取りだった夫君は、退職し自営業に転身しますが上手くいきません。
従妹は幼児がいることを理由に働かないので、いつしか貯えや遺産も遣い果たして生活費は消費者金融やカードローンに頼ります。 もちろん買い物は何枚ものクレジットカードを駆使し、当然のようにリボ払いにするので利息だけでも大きな金額になります。
仕方なく夫君の親を頼り、借金の返済を肩代わりしてもらい自営業は畳みますが、その後どの職場も長続きせず、年齢を重ねるごとに納得のいく就職先は減ってきます。
借金の怖さを実感
いよいよ困った従妹は、子どもを連れて親戚や知人宅を訪問し始めました。
最初は、午前中にやって来た従妹母娘を快くもてなし、子どもにお小遣いを渡したりしていても、昼食を終えて夕食の時間になっても帰らず、仕方なく急遽夕食も供することが重なるにつれてうんざりしてしまいます。 さらに帰る時には、お菓子や食事の残りをしっかり持ち帰ります。
身内にしろ友人にしろ、会いたいと思って訪問してくれるのは嬉しいものですが、食事を浮かせる目的が露骨になると白けてきます。 また、丸一日拘束されるとなるといつでもOKとはいかなくなります。
以前は鷹揚で華やかだった従妹なのに、母娘で鵜の目鷹の目、アレをもらっていい?コレももらってもいい?と見回す様子はまさに貧すれば鈍すそのものでした。 その後従妹は離婚して遠方に引っ越し、あちらからの連絡が途絶えたのを良いことに音信不通になっています。
お金というのは簡単に人の生き方も変えてしまうものだと実感し、借金の恐ろしさを痛感したできごとでした。